ばね指は増えている! なぜ?
ばね指の治療に取り組んでいて、最近、50歳以降のばね指の患者さんが増えてきているのに気づきました。そこで、なぜ増えていているのか考えてみました。ばね指の発症には1: 性ホルモン低下による体質の変化(更年期障害) 2: 仕事、スポーツ、趣味などの活動性 3: 病気(糖尿病、腎機能障害、関節リウマチ、乳癌のホルモン治療)などが関与しています。そこで、それぞれの要因の変化について検討してみました。
1: ばね指になりやすい年齢層(更年期障害)の増加:当院の年齢別手術件数の棒グラフで女性の患者さんの手術件数は50歳以降から激増していました。また男性も50歳代から60歳代にかけて手術件数が増えておりました。このデーターより手術が増加していた要因として、性ホルモンの低下(ばね指の発症因子)を起こす50歳以降の人口の変化を調べてみました。総務省人口統計による年齢別人口は、50歳以降、約5800万人と多く、日本の人口の約半数になっていました。また、そのうち800万人いる団塊ジュニア世代が現在50歳代を迎えており、ばね指になりやすい状況の人口が激増していると考えられました。つまり、ばね指になりやすい年齢層の増加が患者数の増加につながっていると考えられました。
2003年から2024年 ばね指手術 年代別 患者6341名 人口動態