女性のばね指、ドケルバン病、手根管症候群は3姉妹! ???

上記3つの病気についてなぜ3姉妹なのかについて考えてみました。姉妹の意味するところは、姿かたちは多少違っていても共通の遺伝子を持ち、どこか似ているところがあります。そこで、3つの病気の相違点と共通点をあげて結論を出したいと思います。

相違点:

ばね指は手のひらの付け根が痛み、指にばね現象が起こる病気です。ドケルバン病は手首の親指(母指)側が痛く、手首を動かせなくなり、親指(母指)が伸びなくなる病気です。また。手根管症候群は親指(母指)から薬指(環指)の親指(母指)側までしびれて痛くなり、物が摘まめなくなる病気です。これら3つの病気は、それぞれ病気の発生場所が違い、症状も違うため関連性がないように見られます。

類似点

これらの3つの病気は“ばね指はなぜ起こる?なぜ痛い?”のところで記載したように、すべてが腱鞘滑膜の炎症と肥厚によってもたらされます。ばね指とドケルバン病は腱鞘内の滑膜肥厚による神経終末の刺激により痛みが出ます。手根管症候群は手根管内にある正中神経が、同じく手根管内にある腱鞘滑膜の肥厚のために圧迫を受けて細くなり、指の皮膚感覚の低下や筋力低下が起こります。3つの病気の痛み、しびれなどを引き起こす原因は腱鞘滑膜の肥厚によってもたらされ、症状の原因がほぼ同じといえます。

また、これらの病気は50代以降の更年期の女性に多いという共通点があるほかに、糖尿病、関節リウマチ、腎透析患者さん、乳癌のホルモン療法中の患者さん、妊娠から出産後の離乳期を終えるまでの女性に多いという共通点も持ちます。

ばね指の患者さんを診ておりますと、同時期に手根管症候群やドケルバン病を発症することもあります。また、ばね指の手術後、数か月から数年後に手根管症候群やドケルバン病が発症することが多々あります。

これらの病気は病像が異なるものの共通の原因により起こります。つまり、姿が異なるものの血のつながった姉妹のようによく似た特徴を持つ病気と考えられます。

ばね指は腱鞘滑膜の肥厚によってばね現象が起こる

ドケルバン病は腱鞘滑膜の肥厚によって手首の痛みが起こる

手根管症候群は腱鞘滑膜の肥厚によって正中神経が圧迫され指がしびれる

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