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肩の関節の疾患の中で、眠れないくらい痛く、
肩があげられないという疾患がこの「石灰沈着性腱炎
せっかいちんちゃくせいけんえん」です。
ちょっとした誘因でこの疾患が発生するのですが、
これほどまでに痛いのはどんな原因があるのでしょうか?
また、どんな経過をたどるのかなどについて
このページで御説明していきたいと思います。
上の図は石灰沈着をおこした棘上筋腱板
ちょくじょうきんけんばん
を表しています。
棘上筋
ちょくじょうきん
の中では石灰化という現象がおこりやすく、
腱自体が変性してしまった状態です。
石灰沈着性腱炎は40歳代から60歳代の女性に多いといわれており、
鞄を持つとか、後ろのものを持とうとしたちょっとしたことがっきっかけで肩の痛みを覚え始めます。
肩の関節の疾患の中で、眠れないくらい痛く、
肩があげられないという疾患がこの「石灰沈着性腱炎
せっかいちんちゃくせいけんえん
」です。
ちょっとした誘因でこの疾患が発生するのですが、
これほどまでに痛いのはどんな原因があるのでしょうか?
また、どんな経過をたどるのかなどについて
このページで御説明していきたいと思います。
そして、急激に痛みが増してきて、
痛くて夜も寝れないぐらいになります。
レントゲンを撮ってみると、
以下のようなものになります。
やがて、時間が経つとともに、漏れ出た石灰を修復しようとする反応により、石灰化部分が小さくなってきます。
このころには肩も動かせるようになり、日常でも支障のない程度まで回復します。
ですが、完全に石灰が修復されるまでには2~3カ月かかります。
では、以下で実際の症例を見てみましょう。
前から見ると、左肩の周りが腫れて、少し赤くなっているのがわかります。
レントゲンを撮ると、赤矢印の先にぼんやりと石灰の影が写っていました。
これが今回の炎症の原因であると判断しました。
注射の効果があって、数日後には痛みは完全に消失しました。
今度は石灰化が修復していく過程を見てみましょう。
左のレントゲンは62歳の女性の初診時のものです。
赤丸で示した部分に石灰化の影が見えます。
左肩の急激な痛みを訴えて来院され、痛み止めの注射を打ちました。
その後2~3日で痛みは無くなりました。
3週間後、再び痛むということで来院されましたが、
初診時のような酷い痛みではありませんでした。
レントゲンを撮ってみると、青丸の中に石灰化の影が見えますが、前回に比べて、石灰の影が薄くなっていることがわかります。
このように、徐々に体の中で、石灰は吸収されていくのだということがわかります。
石灰沈着性腱炎は痛みが強く、発生の仕方も急激なのですぐにわかります。
肩を強く打つとか、思い当たるケースも無く、
急に肩が痛くなった場合には、
まず、この疾患を疑ってみてください。
痛み止め注射を打つことで、
ほとんどの場合は痛みが治まります。
そして、治療とリハビリを続けながら、
自然に石灰化の消失を待つことで、
ほとんどの場合は治ります。
ですので、原因も無く急に肩が痛くなった場合には、
早い目に整形外科を受診されることをお勧めします!
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